社長のつぶやき 第8回

人生最初の“朗読”は「サイタ サイタ サクラガ サイタ」で、先生に褒められたこともあり当時の情景は未だに目に焼き付いている。(因みに先生に褒められたことは後にも先にもこの時一度のみ。)

桜と言えばやはり花見。

報道によれば昨今観桜目的の外国人観光客も増えているとのこと。テレビでは「今年の上野公園は外国人観桜客が40%以上を占めていた」という上野商店街で働く人の話を紹介していた。

たまたま目にした画面では、日本人の花見客グループ陣に図らずも引き込まれ、当惑顔ながらも一緒になって和し嬉々としている姿が映し出されていた。何とも微笑ましい。

このような情景が桜前線の北上に従い全国へと広がり、南も北も国民一体となったおもてなしのイベントとして定着すれば、ツイッターなどSNSでその場所が世界に発信され地域活性化の一環に弾みがつくことであろうし、ややもすれば低俗的なバカ騒ぎと思われがちな中にも、厳然とした桜木を愛でるルールや落下花弁にも心寄せる大和魂につながる桜木の意義も感知でき、改めて日本文化の高質さに畏敬を感じる外国人も少なくないと思う。

閑話休題

今は凋落解体の危うい憂き目に遭う「全国○○○○組合」御一行様が、かつて東南アジアの一角で盛んに顰蹙を買い、我が国体をも貶め、現地で地道に真面目に活躍している邦人の多くが赤面し肩身の狭い思いを重ねていた頃の話。

現地知人、長老の誘いで、自称知日家・自称日本通・親友・知人・取引仲間等との親睦会が取り持たれた折、桜談義に及んだ。

長老曰く「桜は咲くときはバラバラでも散るときは一緒」。

日本教育を受けた友人は「若き特攻隊には胸迫る」と、「散る桜、残る桜も 散る桜」と感嘆。(良寛の時世とも言われる。)

知日家は「願わくば 桜(花)の下にて 春しなむ」。

即座に日本通でもあり教養人でもある知人が「そのきさらぎの 望月のころ」と下の句を披露(西行句)。

親友は「月にむらくも 花に風」。

出る場を失った日本人の私は、恥ずかしながら『入れ墨判官遠山の金さん』の名場面を披露した。「あの夜にぱっと咲いた桜吹雪、よもや見忘れたたぁ言わせねぇ。」「おまえ等の悪事はこの桜吹雪が先刻お見通しでぇ!散らせるもんなら散らしてみろぃ!」と、確か片岡知恵蔵主演時啖呵の一節で大笑いとなる一幕もあった。

親睦会の席上ではそれなりに自国の課題点も語りあい、先人達の功績を偲び想いを新たにした。日本人の愛国心低下に忸怩たる想いの一席であったが、桜木にのせた友情のエールで大いに盛り上がり目出度くお開きとなった。これも座付長老や知日家氏による日本への計らいと、目礼での感謝を忘れなかった。

以上が今春のつぶやき。以下、余談ながら本の紹介を1つ。

李久惟著『台湾人から見た日本と韓国、 病んでいるのはどっち?』(ワニブックスPLUS新書880円)によれば、韓国の文化庁や国立研究所では日本の桜(ソメイヨシノ)は済州島から持ち出されたと主張しているとのこと。「韓国の朝野挙げての“何でもかんでも韓国起源説・発祥節の捏造は狂気の沙汰”とある。

例えば柔道、空手、相撲、剣道、居合道、歌舞伎、和歌、茶道、華道、演歌、アニメ、漫画、日本刀、盆栽、折り紙、寿司、すき焼き、天ぷら、などなど枚挙に暇がなく、辞書には「わさびは韓国を原産地とし日本の川辺や川で育つ」との記述もあるそうだ。

また日本企業所有の著作権等にも自分たちの方がオリジナルだと言い切り、「かっぱえびせん」「カロリーメイト」「機動戦士ガンダム」「ドラえもん」も日本がパクった!と。

「ウリジナル」はあろう事か中国の文化や発明にも及んでおり、有名なところでは、孔子は朝鮮半島出身、漢字は韓国人の先祖が創造した、風水、紙、活版印刷、羅針盤。漢方を韓方と記載を改め漢方医学も韓国起源とし、黄河文明の発祥までも朝鮮だとしている。

これで中国人の一番嫌いな国が日本から韓国になってしまったとも。これが儒教国のやることだろうか。

面白い本だった。